武漢パンクと生命の餅

先日Newsweekのサイトに興味深い記事が載っていました。

武漢パンクはコロナで死なず──ロックダウンがミュージシャンにもたらした苦悩と決意

いきなり武漢パンクは死なずとか言われても、そもそも一党独裁政権による検閲と統制の行き届いた中国にパンクシーンがあること自体僕は知りませんでしたが、この記事によるとどうやら武漢は反体制パンクの聖地として知られているらしいのです・・ マジすか学園。

そして中でもSMZB(生命之饼)というバンドは90年代後半から活動しているベテランバンドで、武漢パンクシーンの中心的存在とか。で、何はともあれまずは聴いてみようと最新アルバム「The Chinese Are Coming」収録の「海鸥之歌」を聴いてみたのでした。

悲壮感漂うギター・ピアノの上をポエミーなフィメールボイスが淡々と歌い上げ、これのどこがパンク?と思わせたところで、唐突に笛の音を合図に怒涛のドラムロールを叩き込み、その後ドスの効いた男臭いボーカルが悲痛な感傷を歌い上げたところで、最後にカモメの鳴き声を挟んで穏やかに終わるという、何とも凄まじい曲でありました。

中国語の歌詞が何を訴えているのか僕は分かりませんが、おそらく政府の抑圧や弾圧に負けまいとする武漢人の気骨と、カモメのように自由になりたい願望を表しているのでしょう。

僕が書くと何故か馬鹿にしているように聞こえますが、真面目にカッコいい曲だと思いましたし、コロナ渦を機に中国の音楽シーンを掘り下げてみるのも面白いかもなあと思ったのでした。